心と言う名の化け物


18で料理人になり、一度は挫折を経験しながらも
今年で料理人生18年目を迎えています(来年はアマッザ10年目)

料理人になるまでの時間と料理人になってからの時間が同じ
なんとも不思議な気分だ

この店を始めた時は、パスタ屋をやれればそれで良いと思い
始めたんだっけな


同期のソムリエが選んだワインを並べ
リストランテのパスタが安く食べられるパスタ屋
それが一番初めのコンセプトだった


これが予想以上の大ヒット
仕込みもオペレーションも追いつかず
毎日徹夜での仕込みが続き
開店二週間で過労で倒れてしまった
そして医者の判断は二か月の入院


自営業が二か月も休めば当然即廃業だ



毎日退院すると騒ぎ、何度も脱走し
絶対毎日診察に来るという条件付で無理やり退院
すぐに仕込みに入り営業再開するも
弱りきった体はついて行かず、何度も40度の高熱に見舞われ
終にはポリープまで発生してしまった(もう手術しました)


そして僕は商売に対する恐怖心が生まれてしまった


お客さんのニーズに全て答えようとして

ボロボロになってしまった自分の体


毎日やってくるお客さん
毎日が恐怖だった


自分の命をすり減らしてまで、この店を続ける意味があるのか?
俺は一体何がしたかったんだろう?


毎日、苦しい自問自答の繰り返し


苦しみながらも沢山の出会いと勉強を経験したどり着いた答えは
「自分の料理を楽しむ事」
実にシンプルな答えだった
そして実は一番難しい答えだ


売り上げ、町の需要、食べ方、バランスが取れなければ意味がない


だけど、本当に大事な事は、自分もお客さんも笑っている事だと思う


美味しいって事は凄く大切

そこを突き詰めると「楽しい」に進化する

そして、そのもっと先には「幸せ」がある


この自分の両手には「幸せ」を生み出す可能性がある




料理って凄いね




「食べる」と言う事は行為ではなく経験なんだ

だから心を揺さぶる事が出来る

僕が料理人になった原体験は、今も僕の心に刻まれている



今も僕の心を揺さぶっている


この一皿に出会えて良かった




いつか自分も、そんな一皿にたどりつけますように