大脱走 

前に話したgiggiでイタリア料理と出会い、料理人としての入り口に入ったマスターは

とても忙しい毎日を送っていました 

なにせ料理人一年生、覚えることは大量にあるし 

雑用もこなさなくてはなりません

その時のマスターはそのお店の中でも

最も忙しいピザ職人をやっていました 

どのくらい忙しいかと言うと、30席しかないお店なのに

1日になんと200枚近くのピザを売るのです!! 

しかも一人でですよ 

お店が開く前から閉まるまで、ずーーっと全力で 

焼いても間に合うかどうか、と言う数です 

殺人的な忙しさですね 

その結果 

 

 

 

 

 

 

 

 

脱走しました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もう思いっきり挫折しましたね 

しかし料理人になると言って、大阪まで出てきて

1年ちょいで辞めて帰るなんて、かっこ悪くて 

とてもじゃないが帰れないし、一人暮らしなので

当然生活費もかかる、何か仕事をしなくてはならない 

それからの半年は、マスターの人生の中でも最も、いろんな仕事をしました 

まず最初に働いたのはカレー屋さん 

カレーが美味しくないので、半月で辞め 

次はお好み焼き屋さん 

レトルトばっかりで全然楽しくないので、1週間で辞め 

 そんな調子なので、あっという間にお金は無くなります

「このままじゃまずい、食べ物屋にこだわるから

物足りないんだ、とりあえず関係の無い仕事をしよう」 

そうは言っても何をしていいのかも分からず、お金もピンチなので 

仕方なく日雇いの「何でも屋」のバイトに行くことに

 

 

ここでマスターは一生忘れられない体験をします 

 

 

その頃は映画「ジュラシックパーク」などのヒットで 

ちょっとした恐竜ブームでした 

そこで恐竜をテーマにしたイベントの会場を、 

徹夜で作ると言う仕事に参加し、

徹夜でイベント会場を作ったのです 

そしてやっと会場が出来上がり、照明にスイッチが入って、 

会場に命が吹き込まれた瞬間

 

 

 

 

 

泣いていました

 

 

 

 

 

自分がこんなにも、物を作る事に惹き付けられていた事に 

出来上がった瞬間の作品が発するパワーに 

そしてその作品に人が感動する事に 

ただの恐竜展の会場が、僕にはまるで奇跡の様に見えたのです 

ぼろぼろ涙を流しながら、自分が何者なのかを知りました 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イタリア料理がしたい 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

挫折して、逃げて、離れて、 

結局答えは自分の中にありました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この体験が今の僕の原点です

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてこの後ある人と出会い 

再び料理の道に戻ることになるのですが

長くなりそうなので 

その話はまた今度 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんか恥ずかしい話ですな